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接触燃焼式ガスセンサ
接触燃焼式ガスセンサとは
可燃性ガスの検知を得意とするセンサです。ガス漏れ警報器や給湯器、燃料電池などの機器に搭載されています。
特徴
- 0~爆発下限(LEL)までのガス濃度範囲で、出力が優れた直線性を有する
- 応答特性が優れている
- 周囲温湿度による影響が極めて少ない
- 長期的に安定した特性を維持する
接触燃焼式ガスセンサの基本構造
接触燃焼式ガスセンサの基本構造は、図1に示すように、2本ずつの電極ピン間に白金線コイルを溶接し、白金線中央のコイル部分に検知用、補償用の各素子を形成します。中央の熱遮断板は、検知素子、補償素子の間で熱による干渉が起こらないようにするためのものです。ステンレスの金網は、防爆性能を有する構造のもので、金属メッシュの他に、焼結金属タイプもあり、用途により選択されます。マウントベースには、耐熱性絶縁体を用います。
図1:接触燃焼式ガスセンサの基本構造図
接触燃焼式ガスセンサの検知原理
検知素子、補償素子、に使われている白金線コイルは、一種のサーミスタとして考えることができます。一般に、金属の電気抵抗は、温度変化に影響をうけます。温度が上昇すると電気抵抗が高くなり、温度が低下すると抵抗も低くなります。接触燃焼式ガスセンサはこれを利用し、検知素子の触媒燃焼反応によって上昇した素子の温度変化を電気抵抗変化として電気的に捉え、ガスを検知します。この電気抵抗の変化幅は、ガス濃度に比例するため、容易にガス濃度を測定することができます。
実際の測定には、図2のホイートストンブリッジと呼ばれる抵抗測定回路を用います。まず清浄大気中でA-B間電圧をVR1(可変抵抗)により任意の電圧値にセットしておきます。(この電圧値をゼロ点・エア値・Vaなどと呼びます。)検知対象ガスが検知素子に触れると、素子表面で触媒燃焼反応が起こり、検知素子の抵抗値が変化します。このことによって、A-B間の平衡が崩れ、A-B間に有意な電位差が生じます。前述の通り、検知素子の電気抵抗値は検知対象ガス濃度に比例するため、この電位差の大きさでガス濃度を測定することができます。
図2:測定回路図
F1:検知素子 F2:補償素子 M:電圧計
R1 R2:固定抵抗 VR1:可変抵抗
主な検知対象ガス
メタン、イソブタン、その他可燃性ガス全般